なぜ看護師だけ、特化した転職サイトが必要か？
リクルート社の「リクルートエージェント」や、インテリジェンス社の「DODA」というサービスをご存じでしょうか。テレビCMなどもやっていますので、一度は観たことがある方も多いのではないでしょうか。これらは“総合転職サイト“と呼ばれ、業界や職種を問わず、あらゆる求人案件の紹介・サポートを提供しているサービスです。
しかし、看護師が転職する場合には“看護師転職サイト”という、看護師という職種に特化した転職サイトが存在します。“販売員”や“大工”など、他のメジャーな職業には特化型のサービスがないのに（あるのかもしれませんが…）、なぜ看護師だけ特化した転職サイトが存在するのでしょう。
これには大きく2つの理由が存在します。この理由は“看護師転職サイトを利用するメリット”にも繋がってきますので、新卒一年目看護師の皆さんも知っておいたほうがよいでしょう。
専門的知識が転職ミスマッチを防ぐ
1つめの理由は、「看護師の転職仲介には専門的知識が必要」だからです。一般的な仕事にも“専門力”というものは存在します。しかし、一般業種の場合その専門性は、例えば「コミュニケーション能力」「調査力」などの“基礎力”の上に成り立っていることが多いのです。なので、多少求人側の要求する“専門力”に能力が劣っていたとしても、“基礎力”さえあれば、その後の成長でカバーすることが可能な場合が多いのです。
一方で看護師の場合、“基礎力”も確かに必要なのですが、それ以上に重要なのが現場で即戦力として機能できる“専門力”です。看護師は人の命を扱う仕事ですから、「わかりません・知りません」は通用しません。ですから求人側も、しっかりした専門力を身につけた看護師を採用したいと思っています。
そうなると、当然ながら転職希望者と求人側の間に立つ転職サイトにも、過不足なくコミュニケーションがとれるような専門的知識というものが要求されます。幅広い業種・職種の求人を扱う総合転職サイトのエージェントが看護の専門知識を身につけるのは難しいため、“看護師転職サイト”という職種特化型の転職サイトが必要なのです。
逆に言えば、いくら看護師転職サイトを利用したとしても、エージェントの能力・知識が未熟の場合はミスコミュニケーションが起こりやすく、転職ミスマッチも起こりやすいということです。新卒一年目での転職を成功させるためにも、自分にあった看護師転職サイトを選ぶことがまず大切です。
病院の看護師採用活動が小さくなる
2つめの理由は「看護師不足が慢性化している」からです。すでに看護師として働いている皆さんなら、看護師が不足しているという状況を身を持ってわかっているかもしれませんね。看護師の仕事はハードワークのためもともと離職率が高い仕事です。そしてさらに、近年の高齢化によって患者数が増え、看護師不足の実態はより深刻なりつつあります。
もともと看護師が不足していた状況からさらに人手が足りなくなると、病院などの求人側は、採用活動にさえ十分な時間を確保できなくなります。そうなると新しい看護師の採用ができず、残っている看護師への負担が大きくなります。そしてさらに看護師の退職者数が増え看護師不足に拍車がかかるという、負のスパイラルを引き起こしています。
そのような状況もあり、新しい看護師を採用したい医療機関・施設は、看護師採用活動の負担を軽減してくれる看護師転職サイトのような存在を必要としているのです。
このように看護師転職サイトは、ただ転職希望者と求人側の間に立って仲介を行うだけではなく、両者の転職・採用活動負担と、転職ミスマッチリスクを軽減する役割を担っています。双方にとってメリットがあり、看護師自体の需要も高まってきていることから、看護師転職サイトの数というのも近年では増えてきています。
